春の訪れとともに、新しい生活や将来設計を見直す機会が増える時期となりました。特に60歳代に差し掛かると、セカンドライフをどのように過ごすかを具体的に考え始める方が多くなります。その中でも、生活の基盤となる公的年金は極めて重要な存在です。

年金の受給額は個々の働き方や加入状況によって大きく異なりますが、他の人がどの程度受け取っているのか気になるのは自然なことです。本記事では、厚生労働省の最新データをもとに、60歳代から90歳以上までの年齢別平均受給額や男女差、高齢者世帯の所得状況について体系的に解説します。将来の生活イメージを具体化するための参考としてご活用ください。
日本の公的年金制度の全体像
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2層構造で成り立っています。この仕組みは一般的に“2階建て構造”と呼ばれ、すべての国民を対象とした基礎部分と、就労形態に応じた上乗せ部分で構成されています。
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国民年金は、日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入する制度です。自営業者、学生、無職の方なども含め、幅広い層が対象となります。
保険料は所得に関係なく一定額で設定されており、2026年度は月額1万7920円となっています。この定額制により、誰もが最低限の老後保障を受けられる仕組みが整えられています。
満額受給の条件と減額の仕組み
老齢基礎年金は、原則として40年間(480カ月)すべての保険料を納付することで、65歳から満額を受け取ることが可能です。2025年度における満額は月額6万9308円となっています。
ただし、未納や免除期間がある場合、その期間に応じて受給額は減額されます。したがって、長期間にわたる安定した納付が将来の受給額に直結する重要な要素となります。
2階部分:厚生年金の仕組みと特徴
厚生年金は、主に会社員や公務員など給与所得者が加入する制度であり、国民年金に上乗せされる形で支給されます。
保険料は毎月の給与および賞与に基づいて計算され、標準報酬月額や標準賞与額に保険料率を掛けて決定されます(標準報酬月額の上限は65万円、標準賞与額の上限は150万円)。
受給額に影響する要因
厚生年金の受給額は、主に以下の2つの要素によって決まります。
・加入期間の長さ
・現役時代の収入水準
これにより、長期間働き、かつ高い収入を得ていた人ほど、将来の年金受給額が多くなる傾向があります。同じ年齢層であっても受給額に差が生じるのは、この仕組みによるものです。
年金額はどのように決まるのか
公的年金の総受給額は、国民年金と厚生年金の合算によって決まります。基礎部分である国民年金が最低限の生活を支え、厚生年金がそれを補完することで、より安定した老後の生活が実現される設計です。
そのため、自身の将来の年金額を把握するためには、これまでの加入状況や収入履歴を確認し、両制度の仕組みを理解することが不可欠です。
